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レベルアップノート 「指導するにあたって」
10.スキャモンの成長曲線

以下の文章は日本サッカー協会教科指導指針を参考にさせていただきました。 ス キャモンの発育発達曲線によると。神経系統は生まれてから5歳ころまでに80%の成長を遂げ12歳でほぼ100%になります。この時期は神経系の発達の著 しい年代で、さまざまな神経回路が形成されていく大切な過程となります。又神経系は一度その経路が出来上がるとなかなか消えません。これは、いったん自転 車に乗れるようになると何年間も乗らなくても、いつでもスムーズに乗れることが出来ることからも、この理論は理解できると思います。この時期に、神経回路 にさまざまな刺激を与え、その回路を張り巡らせること、すなわち、多種多様な動きを経験させることは、とても大切なことです。

プレゴールデンエイジ 5歳〜8歳頃

プレ・ゴールデンエイジと呼ばれる5歳〜8歳頃は、神経系が著しく発達する時期であることがわかります。すなわち、脳をはじめとして体内にさまざまな神 経回路が複雑に張りめぐらされていく大切な時期なのです。この時期の子どもたちは、集中力が長続きせず、常に新しいものに興味が移っていくといった特徴を もっていますが、神経回路にさまざまな刺激を与え、その回路をさらに張りめぐらせること、神経系の配線をより多様に形成していこうとする、自然な欲求の現 われなのです。 彼らは、集中力がないのではありません。非常に高い集中力を持ちながらも、常に多種多様な刺激を身体が求めているのです。子どもたちのこのような集中力 を利用し、飽きさせないで楽しませるためには、多彩なアクティビティ(遊びの要素を含むもの)を与えていくことが1つのポイントです。鬼ごっこや、木登 り、ボールを使ったさまざまな遊び、それらの動き一つ一つが、後になって貴重なものとなって身体の中に刻まれていくのです。次に訪れるゴールデンエイジを 生かすも、殺すも。この時期次第といってよいでしょう。この時期は多種多様な動きを含むさまざまな動きを経験させることが大切です。 スポーツの基礎づくりが多面的であればあるほど、後に専門的なスポーツを行った時に覚えるのがはやいと言われています。

ゴールデンエイジ 9歳〜12歳頃

9歳〜12歳頃になると、神経系の発達がほぼ完成に近づき、形態的にもやや安定した時期に入ります。この時期は、動作の習得に対する準備態勢(レディネ ス)も整い、さらに「可塑性」と呼ばれる脳神経系の柔らかい性質も残しているという非常に得意な時期として位置づけられています。 一生に一度だけ訪れる 「即座の習得」を備えた動作習得にとって、もっとも有利なこの時期は、「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、世界中どこでも非常に重要視され、サッカーに(他の スポーツでもいっしょです)必要なあらゆるスキル(注:単なる技術とは異なる)獲得の最適な時期として位置づけられています。しかし、この「即座の習得」 は、それ以前の段階でさまざまな運動を経験し、神経回路を形成している場合にしか現れません。だからこそ、プレゴールデンエイジも重要となるのです。

ポスト・ゴールデンエイジ 13歳頃以降

ゴールデンエイジを過ぎると、発育のスパート期(思春期スパート)を迎えます。骨格の急激な成長は、支店・力点・作用点に狂いを生じさせるため、新たな 技術を習得するには不利な「クラムジー:Clumsy」と呼ばれる時期となり、今までにできていた技術が、一時的にできなくなったりすることもあります。 しかしこの時期はスキャモンの発育発達曲線を見ると、生殖器型、すなわちホルモンの分泌の著しくなる時期です。 とくに、男性ホルモンの分泌は速筋線維の発達を促し、それまでに身につけた技術を、より速く、より強く発揮することを可能とさせてくれます

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