U10(10歳以下)。サッカー界ではゴールデンエイジと呼ばれています。サッカーの技術の習得に最も適した年代だからです。スキャモンの成長曲線でも8才までに神経系の60%、12才までに90%とこの時期に極端に成長曲線が 上昇します。人間の神経系がほぼ完成に向かうこの時期こそ、技術の習得に最も適した頃ということです。かといって、成長してからやっても遅いのかと、いう とそういうことではありません、この時期の吸収の良さと、この頃覚えた技術は、退化(忘れる)することが少ないと言うことだと思います。 習得した技術は、大人になっても忘れない、子供の時に乗れた自転車が、大人になっても乗れるように、サッカーの技術も、この頃に身に付いたものは、大人になっても出来ると言われています。 この頃の練習は、基本的にU8の練習に1対1、や1対2などの対人関係のある種目を増やしていきます。クローズドスキルで培ったものを、徐々にオープンスキル(開けた技術?)、自分のプレーの邪魔や制限をする敵を置き、対人の技術習得につとめます。 このころから、出来る子と、出来ない子との差が出てきます。地面を蹴ってちゃんと走れる子、赤ちゃん走りしか出来ない子、キックのフォームが出来てきてる子、出来ない子、ETC、個人の成長度がもっとも顕著に表れる時期だと考えています。特にサッカーは片足でやるスポーツ(キック、ドリブル、など、そのほとんどが片足でするプレーです。)なので、片足で踏ん張れる、方向を変えるなどの動きが出来るかどうかで、そのプレーの質が大きく変わってきます。 また、サッカーに対する意識、取り組み方などによっても、成長の度合いは大きく異なります。 成長の度合いが大きい中で、すべての子供に適した練習というのは、かなり困難な作業となりますが、いま、差があってもやがて追いつく、焦らないようにと考えて練習しています。
この頃になると、子供よりも、保護者の意識の方が問題になります。同じ時期に入部して、同じように練習しているのに、よその子は出来る、うちの子は出来ないとか、目に見えて成長しないことから焦り出す。体の成長、心の成長すべて個体によって違うのに、つい比べてしまう。そして、自分の子は劣っているとか、サッカーに向いていないとか考えてしまう。 でも、焦らないでください、基本的な技術は、成長度の度合いこそ差があっても、どこかで追いついてきます。それが、小学校時代なのか、中学校になってからなのか、わかりませんが。 確かにもって生まれたもので、運動能力に差があるのは否めません、しかし、基本的な技術があれば、他の部分でカバー出来るのがサッカーです。足が遅くて も、状況判断や、早めに動き出すなどのプレーでカバー出来ます。体が小さくてもフェイントを使ったりして、相手の逆をつくことによってプレーは出来ます。 運動能力だけで言うなら、中村俊輔や、宮本選手は日本代表には、なれません、俊輔は、技術と広い視野で、宮本は、あの小さな体でも、プレーの読みを磨き上 げることでDFでもやっていけるのです。 今できなくても、将来できるようになる、あとは、応用問題をどう解くかです、これは、コーチに教えられるより、自分で考えることが基本です。